全然グルメではないですけれど・・・
クッキングというほどのものでもないかもしれません。
そのうえ、私は料理が得意ではないので…
ということで。
Pouding chômeur プディン・ショマー(ショムァー?) です。このブログはフランス語圏に興味があると書いていますが、フランス語圏のケベック州独特のデザートです。
名前について
Pouding chômeur または Pouding au chômeur と呼ばれます。(英語のスペル)puddingが使われることもあるようです。
フランス語の発音は、プディン・ショマー、プディン・ショムァーという感じに聞こえると思います。eurの発音が、日本人には簡単に発音できるようなのですが、日本語に書き表すのが難しいようです。
意味は、「失業者のプディング」くらいになると思います。
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味・材料について
これは甘いデザート(絶対に高カロリーだと思います)です。マドレーヌと黒糖味の好きな人は好きかな、と思います。たくさんバリエーションがあるので、自分好みにアレンジするのもありかと思います。
このデザートはもともとシンプルな原材料で作るレシピで、高価な材料は入っていないはずでしたが、最近ではいろいろ(卵などを)入れるレシピも多いようです。私はシンプルなのが好きです。ケベックのデザートということで、メープルシロップが入っていることが多いみたいです。私もメープルシロップを入れます。
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このデザートの起源について
ウィキペディアのPouding Chômeurのページ
(http://fr.wikipedia.org/wiki/Pouding_ch%C3%B4meur_(dessert)
)とPassion cuisineの Pouding au chômeurのページ
(http://passioncuisine.over-blog.com/article-pouding-au-chomeur-56912333.html
)によると、
1929年の世界恐慌の際、職を失い、食事後のデザートを労働者階級の人々が満足に楽しめなくなったとき、ケベックの労働者階級の女性がレシピを考案したのだろうとのことです。
上に挙げたPassion cuisineによると、伝説では、世界恐慌のとき、モンレアル市(モントリオール市)市長Camilien Houde カミリアン・ウドの妻Georgette Falardeau ジョルジェット・ファラルドーが、失業してしまった労働者の妻が夫を甘い黒砂糖味で慰められるようこのデザートを発明したのだそうです。世界恐慌の時期は、失業者がたくさん出て、食べるのがやっとだったと聞きます。そういうときに、失業して、デザート(甘いもの)も抜きでは、確かに、なんだか、踏んだりけったりですよね。「デザートくらいは」という気持ち、わかるような気がします。
同じサイト(先ほど挙げたPassion cuisine)によると、もうひとつ伝説があるようです。それによると、ヌーヴェル=フランスの時代(フランスが北米大陸の現在のケベックを含む地域を植民地化していた時代)に愛されたデザート les «cachettes» aux petits fruits (「ベリー類のカシェット」とでも、訳せるのでしょうか?発音は「レ・カシェット・オ・プチ・フリュイ」位でいいと思います。)の名残だというのです。les «cachettes» aux petits fruits とは、いちご、ラズベリー、そして(または)ブルーベリーがスポンジケーキのようなものの下に隠れているケーキの類ですが、確かに、レシピのベースは、Pouding chômeur (「失業者のプディング」)と同じだなあと思います。(les «cachettes» aux petits fruitsのレシピについては、 http://lesgourmandisesdisa.blogspot.com/2006/06/cachettes-tides-aux-petits-fruits.html
)を参考にしました。(«cachettes»とは一般的には「隠れ家」「隠し場」という意味だそうです。確かに、ベリー類がスポンジの下に隠れていますね。)
それから、先ほど挙げたPassion cuisineに引用されているのですが、シェフのAnne Desjardins アンヌ・デジャルダン氏によると、 冬に、こういうベリー類が不足すると、(砂糖より安く同じくらい甘い)粗糖(黒砂糖)がベリー類に取って代わり、そして、そのうち、粗糖(黒砂糖)がメープルシロップに取って代わられたのではないだろうか、そうこうしているうちに、現在のPouding chômeur プディン・ショマー が出来たのではないか、とのことです。(ケベックはメープルシロップ生産世界一です。)
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ということで、レシピです。私は原材料に卵を使っていません。牛乳は使っていますが、牛乳の代わりに豆乳でも良いのではないかと思います。ということで、小麦は抜かせませんが、卵アレルギー対応食(卵・牛乳アレルギー対応食)になります。
レシピはRecettes du QuébecのPouding Chômeur
http://www.recettes.qc.ca/recettes/recette.php?id=391&rdj=&pub=
からとりました。
準備に35分、調理に45分、12人分できます。
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原材料です。
「ソース」
☆メープルシロップ250 ml
☆粗糖250 ml (ロワイヤル仏和辞典のcassonadeの項に「粗糖」と訳があるので書きました。ウィキペディアにもありましたが、「黒砂糖」のことだと思います。)
☆熱湯250 ml(個人的には100ml?くらいしか私は使いません(目分量です)。250mlも入れるとソースが多くなりすぎるような気がします。実際、私が作ったら多かったので。)
☆バター65 ml
「ケーキ」
☆小麦粉375 ml (いわゆる普通の何にでも使えるような小麦粉で良いかと。)
☆ベーキング・パウダー5 ml
☆バター65 ml
☆砂糖250 ml(普通の白砂糖でよいかと思います。)
☆牛乳250 ml
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用具としては
☆入れ物(ボウル) 2個くらい(小麦を入れるもの)(バターを入れるボウル)
☆13x9 インチ(32x22 センチ)のオーブンOKの入れ物(深めのほうが無難です)
☆鍋(1リットルくらいはOKのもの)
☆かき混ぜるものいくつか
☆オーブン
☆こんろ
があればいいかなと思います(大雑把で申し訳ないです・・・)
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作り方
1オーブンを華氏325度・摂氏110度くらいに温めておきます。
2小麦粉とベーキング・パウダーをあわせて篩っておきます。
3ボウルにバターを入れ、かき混ぜて、クリーム状にします。それに徐々に砂糖を加えていって、滑らかな感じになるまで混ぜ続けます。
4 3のボウルに牛乳を四分の一、2でつくった小麦粉とベーキング・パウダーをあわせたものを四分の一、混ぜてかき混ぜます。それを繰りかえし、牛乳も2の粉も全て混ぜてしまいます。けっこうどろどろした生地になると思います。
5 13x9 インチ(32x22 センチ)の入れ物の内側にバターを薄く引きます。そこに4で出来た生地を流し込みます。
6鍋に、ソースの材料全てを入れ、こんろにかけ、沸騰させ、沸騰後、少し放っておきます。それから火を止めます。(沸騰が止むのを少し待ったほうがいいと思います。)
7ソースを生地の上に流し込みます。混ぜてはいけません!(重要)
8華氏325度・摂氏110度くらいのオーブンで45分焼き、その後、冷ましてください。(冷めていないとどろどろしているかと思います。)(冷めると、ソースが下に、焼かれた生地が上になっているはずです。)
大雑把な私でも出来るので、普通の人ならもっと上手に出来ると思います。
めちゃめちゃ甘いので、黒糖味の駄菓子などが好きな人は好きだと思います。
写真は、きれいに撮れなかったので、無しなのです。
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