2024年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ

« ゆき | トップページ | 近所のペットショップに行きました。 »

2014年2月19日 (水)

Demain j'arrête!を読んで

Gilles Legardinier ジル・ルガルディニエのDemain j'arrête!「明日になったらやめるから!」を読み終わりました。

詳しくはこちら。作者のサイトです。
http://gilles-legardinier.com/

一気に読めるタイプの小説です。
「今までにした一番ばかばかしいことは何?」と三度目の結婚が破たんしたジェロームの離婚パーティで、ケヴィンという人に尋ねられて、ジュリーは自分のした一番ばかばかしいことを回想し始める…という始まりです。
ジュリーは回想内容では最初28歳、途中で29歳になり、ジェロームのパーティの時に追いつき、最後にハッピーエンド・大団円という感じです。
回想内容は…
ジュリーは、マイナーなミュージシャンに熱を上げ、同棲し、大学院(かな)を中退し、金融機関に勤めていたものの、ミュージシャンに捨てられてしまいます。ひとりになってしまったある日のこと、自分の住んでいるマンションに引っ越してきた奇妙な名前の住人(リック・パタトラス)の存在に気づき、気になって仕方がなく、その人の郵便受けの中を漁ろうとして…結局その住人と知り合いになるのですが、その住人が思いっきりジュリーの好みで…コンピューターの修理などで生計を立てているというその住人は生活がどこか謎めいていて、ジュリーはどんどん彼の生活・謎を知ろうとはまっていきます。(最後、謎は解けるのですが。)
ジュリーの周囲の人の話など、おもしろいエピソード満載で、飽きることがない感じです。ジェットコースター型というか…

***

作者が、映画関連の仕事をしていたということですが、確かにそんな感じがします。

***

本の表紙がペルー帽をかぶった猫なのですが、ペルー帽は、ジュリーとその友だちソフィーがリックの後を追いかけたときに、ソフィーが正体がばれないようかぶっていたペルー帽にちなんでいそうです。あまりに似合わないので、ジュリーはペルー帽のことが頭から離れなくなります。猫については、ジュリーは猫についてちょっとした思い込みがあります。なにか悩んだとき、ジュリーは猫を思い浮かべながらいろいろ考えたりします。猫についてのジュリーの考えを引用しますね。
「どうして盲導犬や救助犬はいるのに盲導猫や救助猫はいないのか説明できる?犬のほうが頭がいいから?違うでしょう。飼い主が良くないって自分から飼い主を変える犬って見たことある?ないでしょ。猫はそういうことするのよ。猫は私たちを利用するのよ、自分のためだけなのよ!」(333ページ)
結局、ジュリーは猫を保身するものとして考えているようです。
小説が「追伸 ペルー帽が似合うと猫に説得されないで。」で終わるのですが、保身を拒み、自分に合うことを求めるというテーマは小説のあちらこちらのエピソードで見られ、この小説の一貫したテーマにもなっています。
***
ちょっとご都合主義だな、小説の構造がいびつだなと思うところが結構ありますが、気分転換には良いような気がします。

« ゆき | トップページ | 近所のペットショップに行きました。 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

確かに…知恵や器用さでは、猫は犬より劣っているとは思えないですもんね。
猫がちょっとでも出てくる小説は、読みたくなっちゃいますね。
図書館にあったら、読んでみようと思います

イルカねこさん
こんばんは。
はい、猫、賢いと思います。
ゆきは、火にかけたやかんの見張りや乾燥機の番をしてくれます。
猫が出てくる小説、私も癖になりそうです。
この小説はまだ日本語訳が出ていない(というか、英語訳もでていない)ので、翻訳が出たらいいのにと思います。
著作権などの問題がなければ、内容が平易で明るい内容なので、翻訳してしまいたいくらいです。(。・w・。 )

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Demain j'arrête!を読んで:

« ゆき | トップページ | 近所のペットショップに行きました。 »