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2012年2月 8日 (水)

ブログネタと自伝・・・

ブログネタを使って、去年の年末から一月中旬まで、記事をけっこうたくさん書きました。そして、ブログネタを使った記事は日記や自伝や回想録とはどう違うのだろうと、ぼんやりとですけれど、考えました。感覚的には、自伝とブログネタの記事は全く違うのですけれど、どこが違うのか、と考えると、なんというかわかりにくい感じがします。
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去年、フランス語の力をつけるために、自宅の本棚を漁っていたら、Profil 111 oral Groupement de textes L’autobiographie De Montaigne à Nathalie Sarraute(プロフィルシリーズ 111 作品集 自伝 モンテーニュからナタリー・サローまで)というのを見つけました。1988年にHatierという出版社から出版されたようです。いろいろなフランスの作家の自伝の一部を抜粋して紹介する小さな本です。この本を読んだ記憶がなかったので、この本を今年の冬休みに読みました。(たぶん、昔、日本の日記文学と外国の自伝的文章の違いについて、尋ねられたことがあって、購入したのだと思うのですが…)
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この本(L’autobiographie)の第一章は、自伝というものの定義・説明にあてられているのですが、面白いと思いました。とはいえ、25年近く前に発売された本なので、おそらく、内容は古く、今も通用するのかどうかわかりませんが・・・
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第一章によると、自伝とは、「主人公と、語り手と、筆者が同一人物の伝記」なのだそうです。そして、多くの自伝が古い過去から現在に向かって順に語られ、筆者は、過去の出来事を回想形式で語るのだとか。また、自伝は、出版目的で書かれることが多いのだとか・・・有名人の手による自伝については、読者が、内容を真正だと思い、裏話を知ることができる一方、書き手も、自伝を書くことで、自分の人生についてまとめ、自身について考えることができるとか・・・
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自伝を書く理由についても、この章は二つほど扱っているのですが、一つ目は、大衆(読者)に向けた証言として、自伝を書くというもので、二つ目は、筆者自身による自画像として、自伝を書くというものだそうです。
最初の理由には、自分の生きた時代や出来事を語ろうとして、自伝を書く場合や、自分のしたことを正当化するために、自伝を書く場合などが当てはまるようです。
二つ目の理由には、幼年時代を思い出して、自伝を書く場合や、時を止めたいと願って、自伝を書く場合、そして、自分自身を良く知るため・人生の意味を知るため、自伝を書く場合が当てはまるようです。
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そして、自伝について「正直に書かれているのかどうか」「内容が正確かどうか」「出来事のあった時と出来事を書き記す時の違いはどう表れるか」「伝記で語られた一個人の運命に読者は関心を抱くのか」などの疑問について、考察されています。
「自伝が正直に書かれているかどうか」という疑問については、礼儀やつつしみといった理由で、書かれていないこともあるようです。また、死後出版を視野に入れ、あえて、一般に知られていなかった私生活のことごとを暴露することもあるようです。
「自伝の内容は正確(真正)かどうか」については、心理的なこと(記憶違い、勘違い、記憶の混乱、度忘れ)から、正確ではないこともあるようです。また、わざと思い出を美しいものとして語ることなどもあるようです。
「出来事のあった時と出来事を自伝に書き記す時の違い」については、思い出しながら、自伝を書くので、日記などと違い、違いが表れるようです。自伝では、特定のことがらを重要に扱ったり、出来事のあった過去と出来事を書き記す現在について考えたりするようです。
「伝記で語られた一個人の運命に読者は関心を抱くのか」という疑問については、自伝とは、一個人のもっとも内奥にあるものがおそらく人々にもっとも共通するものであることを証明しており、自伝で扱われる主題(家族、ルーツ、幼年時代、愛、他者との関係、成長、経験、愛といったこと)は普遍的なものであるから、伝記は読者の関心をひくと結論付けているようです。
***
ブログネタを書くときに、記事が公開されることは承知していました。また、語り手と筆者と主人公が同じ「きいろひわ」であるのも当然だと思っていました。このあたりは、自伝と似ています。
でも、記事には時間の順序が余りはっきりと表れていません・・・
また、理由がきっと少し違うんですよね。自伝は、証言として、または自画像として、成立するのですが、ブログネタで書いた記事は、たしかに、今の時代の証言ではありますし、自身を知ることができますが・・・でも、なんというか、そこまで真面目じゃないような気がします。というか、テーマが私の心の奥底から生まれたものではなくて、選ぶものなので、私の根本に触れるものではあまりないのでしょう・・・
自伝についての四つの疑問については、たしかに、ブログネタにも関連しているようなところもあると思いますが・・・私は出来るだけ正直に答えるよう、内容もできるだけ正確であるよう努力していますが、プライバシーを守りたいとも思うので、ぼかさざるを得ないこともあると思います・・・
また、出来事のあった時と、出来事を書き記す時が違うことで、出来事が実際よりもシンプルになって思い出されるのは仕方ないかな、と思います。また、ブログネタの質問に応じて、思い出の内容と全て載せず、一部だけ載せるということはしばしばありました。あたりまえといえば、あたりまえですけれど・・・
最後の「一個人の運命に読者は関心を寄せるのか」ということについては、ブログネタで、皆さんからコメントを頂いたりして、ブログネタ記事は自伝ではないけれども、読んでくださった方々から、共感やいろいろな感想をいただけて、ブログネタの記事でも、関心を寄せてくださるのだと思いました。
***
こうやって考えていると、ブログネタは、質問に答える形式のせいか、一貫したテーマや時間的な流れといったものが、表れにくい・表しにくいのかもしれないと思いました。一方で、質問に答える形式なので、読んで下さる方々の関心や共感などを呼びやすいのかもしれないとも思いました。

人生にテーマと呼べるほどのテーマなど無く暮らしている私には、自伝を書くことなどとても難しかったでしょうですが、ブログネタなら書くことができたので、私のような凡人にはブログネタは向いていたのだろうと思います。

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コメント

こんにちは!

とても興味深く読ませて頂きました。

自伝は「主人公と、語り手と、筆者が同一人物の伝記」
言われてみなければ気づかなかった発見です。

きいろひわさんのブログネタ記事
毎回楽しみでした。
突拍子もない質問から
思いもよらない展開があったりして
スリリングでした 

またその流れで自分自身思い出すことなどもあり
単に「何々はどうですか?」と聞かれただけでは
何も考えないのに
きいろひわさんがお答えになる文章を読むと
記憶が呼び覚まされるという
不思議な体験もさせて頂きました。

たくさんの記事を本当にありがとうございます 

この頃自伝を書く人が多いようですが、あまり真剣に考えてみたことがなかったので、とても勉強になりました。
伝記は書き手が本人じゃないから、自伝とはまた違うものなんですね。
きいろひわさんのブログネタの記事は、自分では気づかなかった視点があって新鮮だったり、自分はどう思うだろうと改めて考えてみたりして、いろいろな発見がありました。
そういう意味では、自伝も興味を引くところがありそうですね。
私自身は、書きたくないことも私を作る上で重要な出来事だったこともあるので、自伝を書くことはないだろうなーと思います

esさん
こんなわかりにくい記事にコメントをどうもありがとうございます。m(_ _)m
ブログネタの質問は、突っ込みどころもあり、意外に面白かったです。自分では疑問にも思わなかったことがブログネタによって、皆さんと意見が同じだったり、違ったり、そういうことがわかって、実はそれほど普遍的ではなかったんだなんて、気づかされることが多かったです。
気がついたら、けっこうな数の記事をかいていて、自分でもびっくりです。

イルカねこさん
こんなわかりにくい記事にコメントをどうもありがとうございますm(_ _)m
最近、自伝を書く人が多いですよね。自費出版というのでしょうか。
私も自伝はとても書けません…^^;「書きたくないことも私を作る上で重要な出来事だったこともある」というイルカねこさんの明晰な観察、「すごい、かっこいい」と思いました。たしかにおっしゃるとおりだと思います。

文章を書き上げていると、どういう風に座らせようかと考えて進行してゆく
きいろひわさんの文章を読んでいると、よく書けるなと感心しておりました
自分流にとりあえず書けるだけ書いてゆく 何かに押されていたのかな
気に入ったように書く、気に入られるよう書く、そのままを描く
鍵のついたノートじゃ無い いつもオープン 堂々としてます
コメント読んでると、ネタシリーズから少し離れるのかな
個人的には行間を読むくせが有り 些細な単語に時間を取られることが多い
自然に逆らわず書かれた文章を自然に読む、毎日食べても飽きない味を
これからも味見させていただきます (o・・o)/~(ぷれっしゃー) (・┰・)

7さん
こんにちは(*゚ー゚*)
こんなわかりにくい記事にコメントをどうもありがとうございますm(_ _)m
ブログネタのサービス自体が終了したので、これからはブログネタで記事を書くことはないと思います。^^
ブログネタは、お題自体に突っ込みどころがあったりして、なかなか面白かったです。もともと文章が上手いわけではないので、自然体で、無理せずやってゆきたいと思います。レオさんのブログも楽しみにしています♪

はじめましてです(^人^)ブログ楽しくて結構チェックしてるんですよ(^人^)実は読者なんです(笑)普段はあんまりコメントとかしないほうなんだけど(照)見てるだけなのもアレかなって思ってコメントしてみました(笑)仲良くしてもらえたら嬉しいです(≧▽≦)一応わたしのメアド載せておくので良かったらお暇なときにでもメールください(-^□^-)ココログやってないからメールしてもらえたら嬉しいです(-^□^-)まってるねえо(ж>▽<)y ☆

まりこさん
こんにちは&こちらこそはじめまして(*゚ー゚*)
コメントをいただけてとても嬉しいです。o(*^▽^*)o
あまたあるブログの中から、私のブログに興味を持ってくださり、どうもありがとうございます。今、初めて、まりこさんが私のブログを読んでくださっていた事を知りました。
○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*
私は、コメントのやり取りなどを通じて、このブログの範囲内でお友達付き合いをしています。
メールでのお返事は、余程のことがないとしないことにしています(どのような方とも、基本的には、メールでのやり取りはしないことにしています)。このようなことは私がブログを始めたときに、自分で決めたことなのですが、今までそうしてきているので、了解していただけるとありがたいです。
では、これからもどうぞよろしくお願いします。m(_ _)m

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