ケベック党(パルチ・ケベッコワ Parti Québécois )による、プラン・ノー(Plan Nord)、『北部開発プロジェクト』、についての、コミュニケ
では、今日は、ケベックの野党第一党のケベック党(パルチ・ケベッコワ Parti Québécois )のプラン・ノー(Plan Nord)、いわゆる「北部開発プロジェクト」、についての、コミュニケを紹介したいと思います。
こちらもまた、長くて、わかりにくい記事です。(私に文章力が無いので。)文法・語彙ともに自信が余りありません。
ココログ広場からいらした方(が大部分だと思います)は、おそらくケベックに興味がないのではないかと思うので、最後の一、二段落だけ読んでいただければ、と思います。
***
パルチ・ケベッコワは、ケベック(州)の独立を目指す党で、与党になったこともあります。この党が(ケベック(州)の)政権を握っているとき、ケベックが独立するためにカナダ連邦政府と話し合いをするのを許可するかどうか州民に問うレフェランダム(住民投票)を二度行っています(1980年と1995年)。どちらのレフェランダムでも独立への手続きを進めることは否決されたのですが、それでも、根強い人気があるようです。最近、党の中でごたごたが続いていて、人気政治家が一時党を離れるなど大変なようですが…
ということで、2011年8月29日のコミュニケです。
Plan Nord et gouvernance régionale du Nord-du-Québec : informations et consultations déficientes
という題で、「プラン・ノー(「北部開発プロジェクト」)とノー=デュ=ケベック地方政府:情報・協議不足」とでも、訳せるでしょうか。
アドレスは以下の通りです。
「プラン・ノー(「北部開発プロジェクト」)」は、ノー=デュ=ケベックという地方 Nord-du-Québec とコート・ノー Côte-Nord という地方で主に実行されるのですが、この前者(ノー=デュ=ケベック(意味は「ケベック北部」みたいなものです))は、広大で、先住民族がけっこう住んでいます。もちろん先住民族ではない人たちも住んでいるのですが、ケベック州政府は、どうやら、先住民族と、先住民族ではない住民と、州政府で、地方政府のようなものを作ろうと考えているらしいのです。
カナダの先住民族については、アメリカ合衆国の先住民族についての話に隠れてあまり話題にならないかもしれませんが、やはり、その、いろいろ、あります。ケベック(州)の公用語はフランス語ですが、先住民族の中には英語を話す民族がいるようです。また、先住民族は、(タバコの違法販売、飲酒や薬物乱用、家庭内暴力、健康の問題(肥満など)、通学率・進学率の低さなど)問題をいろいろ抱えているようです(これは、ケベックに限ったことでは全然ないようです)。さらに、先住民族ではない地元住民と州政府の間に、「地方と中央」といわれるような意識の違いが、日本でもあると思いますが、あるようです。
そういう状況があって、このコミュニケが書かれているという感じでしょうか。
ということで・・・
***
ノー=デュ=ケベック(地方)を一巡し、夏の間、市民達と長く語り合った結果、ウンガヴァ選挙区選出の議員で、北部開発についての野党第一党のスポークスマンであるリュック・フェーラン Luc Ferland は、プラン・ノー(「北部開発プロジェクト」)に関する情報が、当地域にほとんど伝わっていないと結論を出した。
「ジャン・シャレ首相がインフラ設備関係の計画いくつかについて知らせを出した事と、ケベック(州)外への誘致活動のほかには、地方についての情報がほとんど住民に伝わっておらず、プラン・ノー(「北部開発プロジェクト」)がノー=デュ=ケベック地方にとって何なのかはっきりとわからない。はっきり申し上げると、この規模の計画が、最も関係するはずの地方の住民に知られていないとは普通ではない。」とリュック・フェーランは述べた。
いくつもの疑問に答えがないままである。「50パーセントの土地を産業にだけ向けるという知らせについてはどうなんです。la Société du Plan Nord(「北部開発プロジェクト会社」とでも訳せるのでしょうか。)を作るという法律について、今秋、投票が行われるはずですが、私たちはいまでも誰がどのくらいの割合で私たちを代表するのかわからないままです。どこに本社(本部)が置かれ、主な担当者たちはどこにいることになるのでしょう。北に(ノー=デュ=ケベック地方に、のことだと思います)でしょうか、南に(州都ケベック市に、のことだと思います)でしょうか。」とリュック・フェーランは問いを発している。
今年の五月に、クリー(先住民族)とジャメジィァン(先住民族ではない住民)とケベック(州)政府の間で、地方の新たな統治が行われる事が発表されたが、このときに、この三者は、話し合いを経てから、12ヵ月後までに、統治にいたるようにとされた。しかしながら、リュック・フェーランは、この手続きについても、ほとんど情報が伝わってこないことを心配している。
「私たちの地方で、情報公開のために特別な機会が設けられることを強く望みます。(州)政府は、なによりもまず、この手の計画に直接関係する住民に会わなければなりません。とりわけ、私たちは、この計画がいやおうなく私たちの将来に影響を及ぼすことがわかっているわけですから。」と、このようにして、リュック・フェーランは話を終わらせた。
なんというか、住民置き去りなんですね。
日本や中国で「北部開発プロジェクト」への投資を募っているようですが…やっぱり、プラン・ノーは「北部に関する、国家を挙げての総合政策」であって、「北部開発」の「プロジェクト」というわけではないようです。
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きいろひわさんこんばんは

成る程、訳が適切で無いと大きな誤解が生じてしまいますね
ただ、日本や中国で「北部開発プロジェクト」への投資を募っているのは誤解では無く
もしかしたら
拡大解釈や情報操作で都合の良い解釈
に思わせる事が目的かもしれません
あとは立場や解釈、利権で変ってくるかも…
世界地図で日本海となっていても
韓国では東海と主張していますし、かつて一時期コンゴ共和国が2つあったり
(現コンゴ共和国とコンゴ民主共和国)政治的要因や外交上の思惑も交錯して
言語以上に問題を複雑にしているのかもしれませんね
ひとまず
プラン・ノーは「北部に関する、国家を挙げての総合政策」が正解なのですね
了解です
投稿: とり3 | 2011年9月 5日 (月) 20時25分
とり3さん


こんばんは。
この前、ケベックについて記事を書いたら、検索で私の記事にたどり着いた人が多くて・・・(それくらい情報が少なかったようです)。「そんなに情報を探しているとは・・・」と驚くと共に、「それなら、もう少し何か探してみよう」ということで、今回の二つの記事作成に至りました。
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それから、おそらく、私は、これらの記事を書きながら、復興にある日本のことを考えていたのだと思います…。私の知り合いの外国人(日本について知らない一般人)が、しばしば、復興に関して、投資・輸入などの分野でビジネスチャンスがあるのではないか、と私に尋ねてくるのですよ。今のところは、平凡な会話の種程度ですが、これから長期的な復興を考えてみると、日本の復興事業に投資したいと思っている人は多いのかも…なんて少し感じていたりします。そういうときに、日本はどんな風にして投資者を募るのか…なんて。
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とり3さんのコメントで書かれたことは全てありえると思います。コンゴについては、当時、私の周囲にコンゴ出身者がいて、こういうことについて、実感しました。
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それから、「ひとまず」、たぶん、そうだと思います。^^;私の浅い理解に基づいていますが・・・
投稿: きいろひわ | 2011年9月 6日 (火) 05時20分
訂正です。
こんばんは。ではなくて、おはようございます。の時間ですね、もう…
投稿: きいろひわ | 2011年9月 6日 (火) 05時22分