アッバス・キアロスタミ監督の「Certified copie」(英)「Copie conforme」(仏) 「トスカナの贋作」 (日)を見て
久々ですが、アッバス・キアロスタミ監督がイランの外(ヨーロッパ)で撮った(初めての)映画を見ました。2010年公開の映画だそうです。
ざっくばらんな感想・覚書です。
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ジュリエット・ビノシュ Juliette Binoche (「ポンヌフの恋人」や「トリコロール青の愛」などいろいろ出ている方です)とバスバリトン歌手のウィリアム・シメル William Shimell という方の出ている作品です。ウィリアム・シメルさんはこの映画が初めての映画出演だそうです。
ジュリエット・ビノシュはこの映画で、カンヌの女優賞をとったそうです。
アッバス・キアロスタミは、映画に素人を使うことでよく知られていますが、今回は、ジュリエット・ビノシュということで…この映画ができるまでのいきさつが、ウィキペディアの英語版に出ています。(Productionのところです。)
ウィキペディア(英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/Certified_Copy_(film)
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あらすじは書かないほうが良いと思うので、書きませんが、タイトルについては、一言だけ…
たぶん、「トスカナの贋作」だとなんだか、少し変な気がします。Copie conforme(フランス語)や certified copie(英語)の直訳(「公認コピー(写し)」だと変かもしれませんが)位のほうがまだましではないかなあ、と。このタイトルの意味をわかっていないと、お話の筋を追うのが大変になってしまうのではないかな、と思います。
まず、このタイトル(Copie conformeやCertified copie)は、まずウィリアム・シメル演じる男性(ジェームズ・ミラー)の書いた本の題名でもあるわけです。「本物についてはみな、「正真正銘の」とか色々な形容詞をつけますが、コピー(写し・贋作)については、そういわない、でも…。」という発想があると思うのですよ。
それから、ウィリアム・シメル演じる男性とジュリエット・ビノシュ演じる女性の関係を理解するのに、この「公認の写し・贋物」という発想は重要かなと思います。題名や、いろいろ小難しい会話を飛ばして映画を見ていた人は、結局、ウィリアム・シメル演じる男性とジュリエット・ビノシュが演じる女性の関係がわからなくなってしまったようでした…。それも狙いだといわれれば、その通りだと思うのですが。
とはいえ、それでも、この映画は題名をきちんと頭の隅においておいたほうが良さそうな映画だと思いました。
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アッバス・キアロスタミ監督らしさはよくあらわれていると思います。空間の捉え方、坂の感じ、五感に訴える時間の表現方法、反映(鏡やガラスなど)の利用、老若の間での会話…
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映画の成功は、ジュリエット・ビノシュの力技(?)によっているところが大きいかな、と思いました。さすが、すごい。
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結婚している人、子どものいる人、共働きの人は見ていると、なんとなく理解できる事がとてもあって、おもしろいですが、そういう経験のない人は、「なんだか小難しい哲学みたいな話をしている」と思うかもしれません。アッバス・キアロスタミ監督の個人的経験や思索が反映されているところもあるかな、と思いました。
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「トスカナの風景を楽しむ!」という目的でこの映画を見ると、「あれ?」と思うかもしれませんが、「どこもかしこも似たようなことがあるものだ」くらいの気持ちで見ると面白いかもしれません。
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それから、映画で使われている言語が、英語・フランス語・イタリア語となっていて、そういう言語の使われ方がまた面白いです。これらの言語を使うということ、これらの言語のうちどれを使うかということ、これらの言語のうち、どの言語で話すかということ、色々な意味で、さまざまなレベルで…。多言語環境に興味のある場合は、そういう観点からこの映画を見ても面白いかもしれません。「ロスト・イン・トランスレーション」みたいに・・・(?)。
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この映画の原題がなんなのかいまいちわかりません。ウィキペディアのフランス語版のほうには、イランの言語で、「Roonevesht barabar asl ast 」というのが原題だと出ていたのですが、英語版のほうではフランス語版が原題であるかのように出ていました。
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一応参考にしたサイトです。
ウィキペディア(英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/Certified_Copy_(film)
ウィキペディア(フランス語)
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私。。昔。。〜。。ボスニアだっけなぁ〜。。そこの映画みて。。
妙に感動して。。人情と音楽に哀愁があってぇ〜。。。
完全なる。。異国を。。感じて。。新鮮だった事。。思い出しちゃったぁ^^♡
投稿: jazzmaine | 2011年4月26日 (火) 16時34分
jazzmaineさん
日ごろなじみのない地域の映画を見ると、異なった視点が感じられて、それだけですでに新鮮ですね。ボスニアの映画、見たことないです~。今度探してみようかしら。
昔ボスニアから移民してきたひとがいたのですが、当時のボスニアは大変そうでした。今は落ち着いているといいな、と思います。
投稿: きいろひわ | 2011年4月27日 (水) 19時36分